【伊計島=うるま】米軍普天間飛行場所属のUH1Yヘリ1機が6日午後4時ごろ、沖縄県うるま市与那城伊計島の東側の海岸に不時着した。県警や沖縄防衛局によると、乗員4人を含めけが人はおらず、機体の破損はみられなかったという。伊計島では昨年1月にも、普天間飛行場所属のAH1攻撃ヘリが農道に不時着した。昨年12月には宜野湾市内の保育園や小学校に米軍の部品が落下した事故が発生した。米軍関係の事故が多発している。伊計自治会は6日夜、緊急の役員会を開き、頻発する米軍の事故に抗議するため、1月中にも区民集会を開くことを決定した。
現場から約100メートル先には住宅がある。南西約13キロ先に米海軍ホワイトビーチがあるほか、約5キロ先には石油基地もある。
通報を受けた市消防本部によると、同機は浮原島訓練場(うるま市)で訓練後だったという。防衛局によると、ヘリは警告灯が点灯したため伊計島に着陸。米軍は事故を避けるための「予防着陸」と説明し、早ければ7日にも機体の撤収を予定しているという。
6日、米軍関係者が機体を点検する様子が確認されたほか、海上保安庁が燃料漏れ防止とみられるオイルフェンスなどを設置していた。現場を視察した県基地対策課の金城典和課長によると、弾薬などの積載は確認されなかったという。
県には午後5時31分、防衛局から連絡が入った。同7時すぎには、ニコルソン在沖米四軍調整官から富川盛武副知事に「計器に異常がありエマージェンシーランディング(緊急着陸)した」と電話があったという。翁長雄志知事は6日夜、那覇市内で記者団に「とんでもない話だ」と懸念を表明した。県は週明けに外務省沖縄事務所、防衛局の幹部を県庁に呼び、抗議する。
伊計自治会の玉城正則会長(61)は「これが今の沖縄の現実。米軍の好き勝手だ。政府が主体性を持って米軍と協議しないと、結局被害を受けるのは住民だ」と憤った。
英文へ→Ikei citizens to protest this month after U.S. Military helicopter makes emergency landing