全米軍機飛行中止と総点検を要望 富川副知事「極めて遺憾」 


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相次ぐ米軍ヘリの不時着に関して川田司外務省沖縄担当大使(中央)に抗議文を手渡す富川盛武副知事(左)=9日午後1時33分、県庁

 富川盛武副知事は9日午後、沖縄県庁に川田司沖縄担当大使と中嶋浩一郎沖縄防衛局長を呼び、相次ぐ米軍ヘリの不時着に抗議し、全米軍機の緊急総点検とその間の飛行中止などの実現を改めて要請した。航空機整備、安全管理体制の抜本的見直しや地元を交えた新たな協議会設置も併せて求めた。

 富川副知事は「この1年間に約30件もの墜落、不時着・炎上、緊急着陸などを繰り返し、県民の不安はこれまでになく高まっている」と指摘。「米軍の航空機整備、安全対策等について大きな疑念と不信感を抱かせ続けてきたことは極めて遺憾だ」と指弾した。全米軍機の飛行中止要求には「何度も要請しているが一向に改善されていない。繰り返しの議論ではなく、実効性のあるところに議論を移さなければならない」とも述べた。

相次ぐ米軍ヘリの不時着に関して中嶋浩一郎沖縄防衛局長(右)と川田司外務省沖縄担当大使(中央)に抗議する富川盛武副知事=9日午後1時36分、県庁

 川田沖縄大使は「本当に遺憾な事態だ。(在沖米軍ナンバー2の)ロック准将には私から異常な事態で、整備体制の見直しも含めて抜本的な対策を講じるよう申し入れた。飛行の安全は本当に尊重しないといけない課題だ」と述べた。河野太郎外相も9日中にハガティ駐日米大使に抗議する予定であることも説明した。

 中嶋防衛局長は「いろいろ不安を与え、大変申し訳なく思っている」と述べ、小野寺五典防衛相からマティス国防長官に全航空機の点検整備の徹底などを申し入れたことを伝えた。

 富川副知事は、大使と局長を前に「大変恐怖を持っている中で、1日もたたないうちに飛んで戻るのも非常にまた新たな脅威になる。県民視点からするといささかも不安が払しょくされず、不安が増殖している」と厳しく指摘した。

 その上で「こういう事故が頻発すると米軍にとっても訓練ができなくなる可能性もある。日米安保に対する大きな脅威だ。何度言っても改善されず頻繁に起こることに正直、言葉を失っている」と厳しい表情で語った。【琉球新報電子版】