アカウミガメ産卵確認 専門家「1月は極めてまれ」 卵保護へ注意呼び掛け 国頭・辺土名海岸


この記事を書いた人 大森 茂夫
国頭村辺土名海岸で砂浜に残されたアカウミガメによる産卵上陸の足跡と調査をしている嘉陽宗幸さん=6日午前10時ごろ

 【国頭】国頭村辺土名海岸で6日、アカウミガメの産卵が確認された。早朝、桃原海岸から辺土名海岸に向けて散歩していた山城正明さん(76)=村桃原=が、ウミガメの足跡2カ所と産卵巣らしきものを発見した。連絡を受けた本島北部でウミガメの保護・調査を行っている日本ウミガメ協議会会員の嘉陽宗幸さん(64)が確認した。嘉陽さんによると、この時期にアカウミガメによる産卵は極めて珍しいケースだという。

 足跡を発見した山城さんは、付近の現場の状況から産卵後の足跡ではないかと思い、嘉陽さんに連絡。午前7時半ごろに現場を訪れた嘉陽さんが調査したところ、足跡の形状などから産卵したのはアカウミガメと確認した。

 場所は、山城さんがほぼ毎日のように散歩するコースで、足跡はその日に発見されたことや、砂場の状況から6日に産卵があったとみられる。

産卵巣と目印と確認時期などを示す表記と嘉陽宗幸さん

 嘉陽さんによると、この時期のアカウミガメの産卵は、調査を始めて過去16年では初めてという。県内でも今年になって初めての産卵の確認で、おそらく全国でも初めてではないかとみている。

 嘉陽さんは「これから事後調査をしながら、無事に卵からふ化するまでパトロールしながら見守っていく」と強調。また「産卵巣がある場所は分かりやすいように目印を付けてあるので、地域の方々や行楽客には注意してほしい」と呼び掛けている。
(新城高仁通信員)