【グアム=仲井間郁江】翁長雄志沖縄県知事は11日、訪問先の米準州グアムで、在沖米海兵隊の移転先とされるアンダーセン空軍基地や海軍アプラ港基地などを島内の高台などから視察した。県は米軍基地内への立ち入りを外務省に要請していたが、「(他団体の)視察日程が重なり困難」(外務省)などの理由で実現できなかった。12日はカルボ知事と面談するほか、セスナ機で上空から米軍施設を視察する予定。
11日は島内の高台「マウント・サンタ・ローザ・ドライブ」からアンダーセン空軍基地を、アプラ港を対岸の「ファミリービーチ」付近などから見て、島内に点在する米軍基地施設の位置関係を確認した。
視察を終え知事は「グアムの人々の気持ちを考えないと軽々に言えない」と前置きした上で「広大さを見ると、沖縄からの部隊は十二分に吸収できると感じた。地元の人が理解していただけるのであれば、現在の移転計画を進めていただきたい」と話した。
知事はそのほか太平洋戦争時に南太平洋地域で戦死した日本人を追悼する「グアム平和慰霊公苑」で献花したほか、太平洋戦争博物館も訪れた。夜は県人会との懇親会に出席した。
アンダーセン空軍基地は島の北部に位置。沖縄から移転する海兵隊の駐機施設などが整備される。アプラ港には揚陸艦が着岸できる施設などを整備する予定。