[ココロ・カラダ不思議つながり]40 暗い気持ちなるのはダメ?


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Q.暗い気持ちなるのはダメ?

 

 今日はいろんな学年の人から、気持ちについての質問です。

 ポジティブやネガティブなど人の気持ちが違うのはなぜ?(小学5年)
 どうして人の感情には暗いものがあるのか(小学6年)
 いつも不安な気持ちになってしまうのはダメですか(中学1年)
 です。

A.大切な感情 自分守る役割も

 

 良い気持ちと悪い気持ちがあると思っているのですね。気持ちは自分の中から自然に湧き上がってくるもので、明るいも暗いもプラスもマイナスもないんですよ。どんな気持ちも自分自身の大切なものです。

 ところが、辛い、悲しい、不安、腹が立つなどの気持ちは、暗いマイナスと勘違いさせる言い方がされています。そのため子どももおとなも、そういう気持ちは感じない方が良いと思い込んでいる人が多いです。

 でも、辛い、悲しい、不安、腹が立つと感じるから、自分や自分が大切にしているものが傷つけられたと分かります。すると相手に「嫌だ、やめて」と伝えよう、そこから離れよう、これ以上続けるのはやめよう、助けてもらうために誰かに相談しよう、と自分を守るための行動を取ることができます。感じる力は誰でも生まれつき持っている、自分を守るセンサーなのです。
 

 同じことを経験したとき、周りの人よりも不安や腹が立つ気持ちになりやすいなら、傷つけられた経験の影響かもしれません。また、周りのおとなが不安や怒りを感じやすくて、いつもそれを子どもに話している影響かもしれません。そういう影響があると不安や怒りを感じやすくなります。これは自分を守る力がたくさん働いている印で、生きる力の強さを表している良いことです。

 ただ、不安や怒りの気持ちは心のコップがいっぱいになりやすいです。傷つけられた経験も含めて、あなたが話しやすいおとなに聴いてもらいましょう。

 不安は、自分にできることを見つけることで減らせます。方法を探したり考えたりするのをおとなに手伝ってもらいましょう。8月28日付の記事も参考にしてね。
 

徳永桂子(とくなが・けいこ) 思春期保健相談士。

 心が生きると書く「性」、心が生きて交わる・お互いの心を生かして交わると書く「性交」の漢字の通り、子どもたちがありのままの自分を肯定できるように。豊かなパートナーシップを築けるように。みんなで明るく肯定的に性について語れたらいいなと思って活動中。

 新報小中学生新聞に「ココロ・カラダ不思議つながり」を連載中。著書に「からだノート~中学生の相談箱」(単著)「LGBTなんでも聞いてみよう~中・高生が知りたいホントのところ」(共著)など。
 

~ この連載が本になりました ~

ココロ・カラダ不思議つながり

 
徳永桂子・著/上原明子・イラスト
A5変型判 128頁(オールカラー)

¥1,250(税抜き)