【東京】防衛省は16日、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画を巡り、周辺環境への影響を検討する環境監視等委員会(委員長・中村由行横浜国立大学大学院教授)の第11回会合を同省内で開いた。
埋め立て予定海域に生息するレッドリスト掲載の「ヒメサンゴ」1群体について、防衛省は近く移植のための特別採捕許可を県に申請すると明らかにした。
沖縄防衛局は昨年10月、レッドリスト掲載の「オキナワハマサンゴ」1群体の特別採捕許可を県に申請したが、新基地建設に反対する翁長雄志知事は16日現在許可していない。
会議の冒頭で発言した沖縄防衛局の遠藤仁彦次長は「手続きの標準的な処理期間を大幅に超過しているにもかかわらず、現在のところ県知事から特別採捕許可が頂いていない」とくぎを刺し、県に早期の判断を求めた。
ヒメサンゴ1群体は昨年11月に見つかったレッドリスト掲載サンゴ10群体のうちの1群体。辺野古側にあり、今後の工事の過程で影響が出てくるとして移植先が選定されたため申請の準備が整った。残りの9群体についても今後準備ができ次第申請するという。
防衛局は昨年12月の第10回委員会で、埋め立て予定海域に生息する底生生物や海藻を保護するため、移植手続きに必要な特別採捕許可を県に新たに申請するとしていたが、県が申請不要との見解を示したため移動・移植作業を進めているという。【琉球新報電子版】