海外通信員 新年の抱負〈中〉 歴史、話題、思い共有


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 願い届き世界好転を

大城洋子 フランス

 ボナネ! 新年あけましておめでとう! 今年もどうぞよろしくお願いいたします。昨年、フランスでは歴史上最年少の大統領、エマニュエルマクロン氏が誕生した。就任時にわずか39歳、年齢もさることながら自分より年下の大統領がこんなに早く生まれるとは思いもよらず、とにかく驚くとともに、日本、アメリカのみならずフランスでも政治に対しての閉塞(へいそく)感がそうさせたと感じている。

 今後、世界情勢はどうなっていくのか。決して楽観できない厳しい状況だ。テロはいたるところで頻発し、北朝鮮はいつ暴発するのか、いやそれともアメリカがしびれを切らすのか、もう何が起こってもおかしくない状況に置かれている。

 だからこそ世界の人々が「世の中をよくしたい」という思いを持ち続けている限りきっと好転していくと信じたいと思う。子どもたちのためにも。
 

 人々の物語を発信へ

名護千賀子 ハワイ

 ハワイへ移住して今年で22年目になる。移住当時は、珍しく面白いと感じたハワイの暮らしも新鮮なまなざしからは遠ざかりかなりローカル化した今日この頃。さまざまな人種が混ざり合うハワイ社会では、コミュニティーが重要な役割を担っている。

 ハワイ沖縄コミュニティーに継承されている故郷への熱い思いには、幾度となく大きな感動を覚える。ハワイ沖縄連合会は3世が中心となり活躍する。この大きな組織が一つにまとまる背景には、1世に対する感謝の念、親から子へ継承された助け合いや譲り合いの心、また他の人種も分け隔てなく受け入れる寛容性だと考える。その中で、沖縄の文化が、ユニークな形で発展してきた。これまでの歴史で、残しておきたい人々のストーリーがたくさんある。今年は、初心に帰りストーリーの宝庫に触れ、沖縄のみなさまへ発信できるようまい進したい。
 

 つながりを深めたい

田中由希香 ドイツ

 この一年、沖縄とのつながりを思い起こすと、世界最高峰の自転車プロロードレース「ツール・ド・フランス」が7月にデュッセルドルフ市で開幕したことが懐かしい。

 1903年に始まったレースは104回目の開催で、グラン・デパール(開幕地)にドイツの都市が選ばれるのは1965年のケルン、80年のフランクフルトに続き、87年のベルリン以来30年ぶり。もしかして、と調べてみると石垣出身の新城幸也選手も出場。小雨の降る中、期待を胸に向かった。

 カメラを構え、地元の選手を待っているんだと緊張する私に、横で応援していた年配のグループも大いに盛り上がった。そして待ちに待って新城選手が来ると、みんなで一緒に「OKINAWAA!!」と叫んだ。残念ながら私の記事は掲載にならなかったが、最高の瞬間だった。

 今年も沖縄とドイツ、多くの人々とのつながりを深めていきたい。
 

 150周年に多くの行事

嘉数悠子 ハワイ

 アローハイタイ!

 常夏ハワイで迎えるお正月も今年で5回目。雪化粧をしたマウナケア山には元旦からスーパームーンがお目見えし、文字通り輝かしい一年の幕開けとなった。 昨年の私の目標は「若者の応援」。計6回帰国し、県内各地で講演会を積極的に行った。とりわけ心に残っているのは台風が迫る中開催された「世界のウチナーンチュの日」制定を記念した講演だ。積極的に質問をする子供たちの姿に未来の沖縄が見えて、とても頼もしかった。

 今年は日本人がハワイへ移民して150周年になる。ハワイでは数多くの行事が開催される予定だ。私はウチナーンチュのユイマールの精神を伝えていくつもりだ。

 今年の抱負は「自分への挑戦」。自分自身をよりレベルアップさせ、若者を応援し、美ら星沖縄の良さを伝えていきたい。