海外通信員 新年の抱負〈下〉 世界の中の沖縄 発信


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 移民110年 盛り上げる

城間セルソ明秀 ブラジル

 ゐーそーぐぁちでーびる。昨年は非常に早く時間が流れたと感じた1年だった。大学ではたったの二つだが、沖縄関係の企画に参加させてもらうことになり、展開に期待している。

 取材では、なかなか会うことがない方に話を伺い、移民についての知見が広められたと思っている。その中には悲しみをバネに社会をよくしようと立ち上がった政治家や起業家らがいた。

 県留学生・研修生OB会の活動で、「オキナワの女性」をテーマに15人の女性からそれぞれの体験や苦労などをドキュメンタリー形式でまとめた。県民の皆さんにもぜひご覧になっていただきたい。

 「うちなーんちゅの日」が制定され、その日を祝うために沖縄から団体が派遣され、会場は大勢の観客で溢(あふ)れかえっていたことに感動した。今年の移民110周年に協力できればと思う。
 

 若者、人材、文化に焦点

玉元三奈美 ボリビア

 沖縄の裏側にあるボリビア。飛行機で30時間以上、距離は約2万キロに上る。ボリビアには「コロニア・オキナワ」と呼ばれる村があり、世界地図に「オキナワ」という地名が正式に登録されている。「もうひとつのオキナワ」と呼ばれ、沖縄から多くの教員が派遣され、現地では沖縄文化や日本語が定着している。

 ボリビア通信員はこれまで10年間不在だったと聞いた。昨年まで、うるま市の通信員として地域情報を発信してきたが、昨年12月にボリビアの県系3世との結婚を機に移住し、今年からボリビアの通信員を担う。

 「もうひとつのオキナワ」の存在を知る県民も増え絆は年々強くなっている。

 「ボリビアと沖縄の懸け橋」の一人として、活動の発信を担う責任を感じつつ「若者世代」、ボリビアで活躍する「人材」、今も残る「沖縄文化」に焦点を当て、記事を書いていきたい。
 

 好機捉え 行動起こす

遠山光一郎 シンガポール

 昨年11月にシンガポール-那覇間を結ぶ定期直行便が就航した。定期便は沖縄観光関係者の悲願であり、多くの沖縄の方々が待ち望んだものだった。思い起こせば、2010年に県の委託駐在員として旅行博に参加した時には「沖縄は売れない」と散々旅行社に言われた。その後、商品造成、チャーター便成功、チャンギ空港と県との相互協力協定調印、県シンガポール事務所開設と進み、歴史的快挙が達成された。

 2018年は週3便の運航から毎日就航、他のエアラインの参入など線を太くしていくことが求められる年になる。直行便により、これまで台北経由で計10時間以上かかっていた時間が5時間に短縮され距離が近くなった。人の往来も増えいろいろなチャンスが増えることになる。この追い風を受け、初心に返り、沖縄とアジアのために何ができるか考え、行動を起こす年にしたい。
 

 平和願い 笑顔で前進

宮城亜希子 インドネシア

 スラマットタフンバルー!明けましておめでとうございます。昨年インドネシアでは、新ジャカルタ州知事誕生や国際空港新ターミナル完成、空港鉄道開通などワクワクする事がたくさんあった一方、バリの火山噴火など自然災害やテロなど厳しい出来事もあった。

 今年は日イ国交樹立60周年を迎える記念すべき年で数多くの記念行事が行われる。8月にはジャカルタとパレンバンにてアジア競技大会が行われる。私たち、島ーず県人会もたくましく楽しく活動している。去年は14人が沖縄や日本各地、遠くはベルギーやブラジルなどに活躍の舞台を移した。現在22人が在籍。今年も平和を願い、しっかり学び働き優しく笑顔で力強く前に進む島ーずでありたいと願う。

 沖縄から世界へ、世界から美しい沖縄へ。ちばりよー島ーず!ちばりよー沖縄!心からの愛と感謝を込めて。