沖縄ヘイトに抗う 研究者ら連帯の必要性強調


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
沖縄ヘイトや沖縄の自治などについて論じる松島泰勝さん(中央)、島袋純さん(右)ら=28日、那覇市のジュンク堂書店那覇店

 書籍「ヘイトクライムと植民地主義」(三一書房)の出版を記念したトークイベントが28日、沖縄県那覇市のジュンク堂書店那覇店で開かれた。松島泰勝龍谷大教授、島袋純琉球大教授らが沖縄ヘイトの問題や沖縄の自治、基地問題などについて語った。

 松島教授は琉球独立を主張する著書を出版した際に「研究室や学長宛てに『大学から締め出すべきだ』などの電話が相次いだ。ヘイトスピーチだ」との経験を語った。「被差別部落や在日コリアン、外国人などはヘイトスピーチによって攻撃されている点で琉球と共通している。アイヌ民族もヘイトにさらされてきたが、負けずに闘っている」と語り、連帯して取り組む必要性を強調した。

 島袋教授は欧州連合(EU)の状況や、英国スコットランドの独立運動などを挙げて「人権を守るための連帯が、東アジアでも必要だ。EUのような連帯の仕組みを構築し、その中でスコットランドのように地方分権を進めてはどうか」と提案した。