両者 静かに火花 WBCフライ級世界戦 あすゴング


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調印式を終え、記者の質問に答えるWBC世界フライ級チャンピオンの比嘉大吾(左)、 調印式を終え、インタビューに答える挑戦者のモイセス・フエンテス(右)

 世界ボクシング評議会(WBC)フライ級王者の比嘉大吾(22)=浦添市出身、宮古工高出、白井・具志堅スポーツジム=の2度目の防衛戦が4日、県立武道館で行われる。決戦を前に、比嘉と挑戦者のモイセス・フエンテス(30)=メキシコ=の調印式が2日、那覇市のロワジールホテル那覇であった。比嘉は「(KOを)絶対にやらないといけない」と必勝を誓った。計量前日で神経をとがらせる両者の発言は、勝利への意気込みが随所に現れており、静かに火花を散らせた。

 視力やリーチ、血圧などを計る予備検診の後に両者がサインを交わして試合が正式に成立した。続いてグローブを確認し合った。
 比嘉は14戦14勝の14連続KO、パーフェクトレコードを更新中で、あと一つのKO勝利で浜田剛史らがもつ15連続KO勝利の日本記録に並ぶ。「KOで勝ってこそ特別な王者になるチャンス。狙って倒しにいく」と鋭い眼光で語った。「最初は自分のために王者になったが、勝ち進む内に自分だけのものではないと思っている」。比嘉は背中を押す多くの人々のために戦う強い覚悟をみせた。
 フエンテスは30戦25勝(14KO)4敗1分けで比嘉より経験値が高く、過去に世界ボクシング機構(WBO)ミニマム級、ライトフライ級の2階級制覇している。「比嘉もそうだが、自分も記録が懸かっている。私の課題は大変困難だが不可能ではない」と静かに語り「比嘉には貪欲にきてほしい。私もKOボクサーなのでそれに応えたい。グレートな試合にしたい」と迎え撃つ覚悟を語った。3日は同ホテルで前日計量が行われる。