泡盛文化、欧州へも ユエ氏、酒造所見学


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県内で泡盛について学んだユエ・シルヴァン氏(右)とジェトロの西澤裕介氏=2日、那覇市天久の琉球新報社

 フランスを拠点に欧州各地で日本酒に関するセミナーを開いているユエ・シルヴァン氏が1日、泡盛の文化を学ぶために来沖した。3日まで県内の酒造所を見学したユエ氏は「泡盛はフランス人にも受け入れられる要素がある」と強調した。

 ユエ氏はセミナーなどを通じて欧州に日本酒の魅力を伝えるほか、日本産の酒類を紹介するイベントをパリで開催している。日本酒が専門だが、フランスのレストランやイベントで泡盛を飲んだことをきっかけに「沖縄に行ってみたいと思った」と語る。

 ユエ氏は泡盛について「日本酒と違うおいしさがあると感じた。ストレートやロックなど飲み方を変えることで、さまざまな味わい方ができる」という。泡盛に古酒を作る文化があることに触れて「ワインやウイスキーを熟成させる文化に通じる部分がある。特にウイスキーが好きな人は泡盛も好きになるはずだ」と語った。

 県内の酒造所では製造過程などを見学した。「同じ酒造所でもさまざまな味わいの泡盛を生産していて面白かった」と多様性を実感し「泡盛を飲むことで沖縄の心が分かる。(欧州の人が)泡盛を飲むために沖縄に来てほしい」と願った。

 ジェトロ沖縄貿易情報センターの西澤裕介所長は「泡盛を知らない外国の消費者は多い。まずは泡盛の認知度を高めることが重要となってくる」と期待した。