具志堅会長、弟子の成長再実感 大吾凱旋1回KO


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二
WBCフライ級世界戦で、2度目の防衛に成功した比嘉大吾を抱きしめる具志堅用高会長

 相手を圧倒する比嘉大吾の勝利に、白井・具志堅スポーツジムの具志堅用高会長が喜びを爆発させた。試合終了直後に「もう終わったの、という感じ」と会場の笑いを誘ったのは、明るい人柄が出た場面だったが、まな弟子の強さを改めて実感した様子で、「本当によくやってくれた。最高だ」と万感の思いで褒めたたえた。

 具志堅会長にとって特別な試合だった。自らは1981年、沖縄で初めて開催した14度目の防衛戦となる試合で涙をのんだ。それだけに「大吾はチャンピオンになる要素を持っている。(比嘉のように)パワーのあるパンチを持っている選手は怖いよ」とうれしそうに語り、その力強さに太鼓判を押した。

 昨年11月に興南高校時代の恩師の金城眞吉氏が死去した。「金城監督は沖縄のアマチュアボクシングの神様だ。(仏前に)防衛をして帰ってくるよと伝えていた」と語る。

 試合は「最初に(比嘉が)右ストレートを決めた時点で決まったと感じた」。防衛戦の戦い方から「挑戦者は比嘉の左を警戒してくる」と分析。試合前に右からの攻撃を重点的に確認した。「右が決まった後も相手を攻める強さが大吾にあった」とうなずく。

 今後について「まずは食事管理をしっかりやらせて、夏までに1回、試合をさせたい」と目標を掲げた。師弟の二人三脚の歩みはまだまだ止まらない。(平安太一)