山里勇吉さん死去 八重山民謡の大御所、92歳


この記事を書いた人 松永 勝利
取材で談笑する山里勇吉さん=2009年、那覇市内の喫茶店(國吉和夫撮影)

 八重山民謡の歌手山里勇吉(やまざと・ゆうきち)さんが9日午前4時28分、肺がんのため宜野湾市内の病院で死去した。92歳。

 山里さんは1925年石垣市白保生まれ。16歳のころから三線を始め、57年に開かれた八重山全島とぅばらーま大会で優勝を機に、本格的に八重山民謡を学ぶ。声量、声の高さ、美しい節回しで、多くの人を魅了した。

 大工哲弘さんなど多くの後継者育成にも励んだ。八重山音楽安室流保存会師範、琉球民謡最高師範。99年県無形文化財「八重山古典民謡」保持者。長年県社会福祉協議会資金づくり芸能チャリティー公演の実行委員代表として企画、運営に関わり、2005年度の県功労者として表彰された。

 告別式は11日午後3時から4時、浦添市伊奈武瀬1の7の1、いなんせ会館。喪主は八重山音楽安室流室山会理事長の名幸諄子さん。【琉球新報電子版】