八重山日報がおわび 米兵日本人救出報道「伝聞だけで載せた」


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 八重山日報社(石垣市)は9日付朝刊で、昨年12月1日に沖縄自動車道で発生した事故で「米海兵隊曹長がクラッシュした車から日本人を救出した」と報じた産経新聞の配信記事を転載したことについて、おわびした。「救出された日本人の男性が米兵に『感謝している』と語った」との独自記事も「その後の再取材で関係者、男性とも米兵に救出された事実を否定した」と、誤りを認めた。

 八重山日報は12月11日付朝刊で、産経新聞が9日にインターネット配信した産経ニュースを転載した。そこでは、救出を報じない沖縄メディアを「報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ」と批判。しかし産経新聞は今月8日付朝刊で、救出の事実が確認できなかったとして記事を削除し、おわびした。

 八重山日報の仲新城誠編集長(44)は本紙の取材に「行き過ぎた批判だった。(批判の)前提となる事実がなく、削除して掲載すべきだった」と述べた。

 訂正した独自記事については「産経ニュースを見た読者から情報提供があり、関係者の話としてまとめた。伝聞だけで載せており、取材の詰めが甘かった」と説明した。その上で「今後は事実関係も含めて慎重を期する」と話した。