沖縄本島北部の海岸に油の塊や油が付着した物が漂着している問題で14日、新たに那覇港や恩納村、伊平屋島、伊江島、座間味島の海岸などでも油状物の漂着が相次いで確認され、本島北部のほか、本島中南部や周辺離島の広範囲に広がっている。第11管区海上保安本部や地元自治体、施設管理者らがそれぞれ発見した。11管によると、油状漂着物による水産物などの被害は現在、確認されていない。1月に奄美大島の西約300キロの海上で発生した石油タンカーと貨物船の衝突による油流出事故との因果関係は不明で、11管が現在、調査している。
14日までに油状物の漂着が確認されたのは国頭、本部、今帰仁、伊平屋、伊江、恩納、那覇、座間味の少なくとも8市町村。14日、本部町の海洋博公園では園内の砂浜など3カ所で計19個の油状漂着物が見つかった。一方、11管は14日までに、本島周辺の海上に大量の油が漂流していないかを航空機で調査したが、上空から大量の油は確認できなかったとしている。
油状物の相次ぐ漂着を受け、県や北部地区の10市町村、11管は14日、名護市の北部合同庁舎で初めて緊急対策会議を開いた。出席者は漂着物の情報を共有し、今後の対応などを話し合った。各地に漂着したのは、油が付着したペットボトルや発泡スチロール、オイルボールなど。
沖縄県よりも先に同様の漂着が相次いだ鹿児島県では、第10管区海上保安本部と協力し、奄美大島などで採取した油と、事故現場周辺海域で採取した油の成分を分析し、関連性を確認。沖縄県も調査に着手する。