嘉手納にも飛来 住民「怖い」 三沢米軍機の燃料タンク投棄 即日謝罪に「沖縄と落差」の声も


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
米軍のF16戦闘機が燃料タンクを投棄した小川原湖。奥は三沢基地=20日、青森県東北町(共同通信社機から)

 エンジン火災で21日に燃料タンクを投棄した青森県の米軍三沢基地所属のF16戦闘機は、沖縄の嘉手納基地にもたびたび飛来している。事故を受け、沖縄県内からも「怖い」との声が上がった。米軍司令官が即日三沢市役所を訪ねて謝罪したことについては「沖縄では逆に首長が出向いて抗議するのが常だ。この差は何だ」と指摘する声も上がった。

 米軍嘉手納基地を抱える沖縄市、嘉手納町、北谷町でつくる「米軍嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」(三連協)の会長を務める桑江朝千夫沖縄市長は、相次ぐ米軍機の事故に「きっちりと整備しているのか不安だ。信頼を得るよう情報を公表してほしい」と求めた。また司令官の対応について「いつも三連協は抗議に行くが、米軍が謝罪に来るのは当然だ。システムを変えないといけない」と述べた。

 嘉手納町民でつくる町基地対策協議会の上地安重会長は、落下地点から数百メートルの所に漁船がいたことに触れ「戦闘機なので1、2秒でも時間差があれば当たっていたかもしれない。空から落ちてきたら地上の住民は避けられず、怖い」と不安を口にした。

 一方、沖縄平和運動センターの岸本喬事務局次長は、けが人が発生していないのは偶然だとし「全国の基地を閉鎖しない限り、国民の命が守れない状況になっている」と強調した。小野寺五典防衛相が米側に再発防止を申し入れたというコメントについては「『原因が分かるまで飛行停止せよ』と言うのが筋だ。米軍優先の日米地位協定を抜本改正しない限り、事故は防げない」と話した。