沖縄戦語り継ぐ決意 北谷高生 学び、体験者に発表


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謝苅老人会の会員らの前で、平和学習で学んだことを発表する北谷高校の生徒たち=9日、北谷町の謝苅公民館

 【北谷】沖縄戦を次世代に語り継ごうと活動してきた北谷高校3年の生徒5人が9日、北谷町の謝苅公民館を訪れ、老人会の活動で集まっていた23人に、これまでに学んだ沖縄戦が始まるまでの経緯や、沖縄戦体験者の話を紹介した。5人は「次世代の語り部としての自覚を持ち、二度と戦争を繰り返すことないよう、平和のために頑張る」と決意を新たにした。聞いていた人の中には、時折目頭を押さえたり、うなずいたりしながら話を聞く人もいた。

 講話をしたのは新垣宙太さん(18)、仲榮眞七海さん(18)、比嘉夏香さん(18)、池間ブランドン慎さん(18)、佐次田ひよりさん(17)。

 北谷高では次世代の語り部育成や、平和学習で学んだことを生かして行動することを目的に、生徒会を中心に生徒たちが4月から謝苅自治会や桑江自治会の老人会を回り、沖縄戦の体験者5人から話を聞いた。

 この日の発表では、戦時中の写真などを用い、戦跡のフィールドワークや聞き取りで学んだことを伝えた。平和のためにできることとして、違いを認め、他者を思いやり共感することを挙げた。佐次田さんは「最初は無関心だったが、学ぶことで変わってきた。学んだことを自分たちの子どもの世代に伝えられたらと思う」と意欲を見せた。

 生徒たちの話を聞いた、南洋パラオで戦争を経験した知念信子さん(88)=町桑江=は「素晴らしい発表だった。当時は死体を飛び越えても何とも思わなかった。生徒が今から(平和のために)一生懸命やってくれるのはありがたい」と語った。

 講話に同行した功刀弘之教頭は「聞こえやすいように大きな声で発表できていた。まだ聞いていない自治会もあるので、ぜひ聞かせてもらいたい」と述べ、今後の活動への意欲を見せた。