【北中城】一斗缶で制作したちり取りを長年、北中城村内の小中学校に贈っている沖縄市の喜屋武盛繁さん(88)に2月26日、村の森田孟則教育長と村内の北中城小、島袋小の児童らから感謝状が贈られた。喜屋武さんは2005年から県内各地の学校にちり取りを寄贈しており、計5千個以上になるという。北中城中央公民館での感謝状贈呈式で喜屋武さんは「元気でいる限り作り続けたい」と話した。
喜屋武さんがちり取りを作り始めたのは1991年。退職後、地域の公園や小学校の清掃活動を始め、自前で作ったのがきっかけだ。最初は親戚や友人に配っていたが、知人が小学校の校長をしていた縁もあり、学校に寄贈し始めた。それ以降、「ちり取りを作っている人がいる」との話が教職員らから口コミで広がり、喜屋武さんは沖縄本島だけでなく伊江村など離島を含む各地の小学校に寄贈するようになった。
最初は一つ制作するのに1時間かかったというが、今では15~20分で作ることができるという。「私は物のない時代の人間だ。物を捨てたくなかった」と、捨てられるはずの一斗缶でちり取りを作り続けた。
式で児童を代表して喜屋武さんに感謝状を手渡した北中城小6年の後藤朴然(ぼくねん)君(12)と島袋小5年我喜屋雄大君(11)は「(喜屋武さんのちり取りは)使いやすい」と口をそろえる。
喜屋武さんが作るちり取りは、村内の小学校に生えているクワディーサー(モモタマナ)の大きな葉を拾うのに適しているという。森田教育長は「子どもたちに関わっていることに本当に感謝している」と述べた。