【ブラジル】多くの人に沖縄民謡を 県系の嘉数、大城さん


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民謡ライブを行う県系人の嘉数ヒカルドさん(左)と大城ブルーナまりこさん=2月17日夜、サンパウロ市イピランガ区

 県系2世の嘉数ヒカルドさん(33)と5世の大城ブルーナまりこさん(25)による民謡ライブが2月17日夜、サンパウロ市イピランガ区にある食堂「Oishiisa!(おいシーサー)」で行われた。同食堂でのライブは3度目。午後6時半に開店した食堂は県系人と思われる人たちですぐに満席になり、100人を超えた。大城さんは「今までは沖縄県人会関係の場所でしか弾いてなかった。他でも弾いて県系人や県系じゃないけど民謡が好きな人たちに届けたい」と意気込む。

 嘉数さんは21歳の頃から三線を弾き始め、琉球民謡保存会ブラジル支部主催のグランプリで優勝。ブラジル代表として沖縄県で2016年に開催された「民謡の祭典」に出場した経験がある。

 大城さんは13歳の頃からブラジル沖縄県人会カーザべルデ支部会館で民謡を習っていた。16年度には、県費留学生として県立芸術大学で1年間、古典音楽や楽器、日本語を学んだ。その時、友達が民謡ライブや様々な活動をしているのを見て「ブラジルでもやってみよう」と思ったという。大城さんは「店のオーナーで元留学生の千歳さんも沖縄でライブを見ていたので承諾してもらえると思っていた。今のところはうまくいっている」と手応えを感じている。お客さんの中には、県人会と関わりがない人も多いという。

 嘉数さんはライブで観客に三線を一緒に弾こうと声を掛けている。「(民謡歌手の)我如古より子さんのお店に行ったが、すごくいい体験だった。おしゃべりや一緒に何曲か弾いたりしていた。お客さんにも弾かせたりするのが、面白いと思った」と話した。(城間セルソ明秀通信員)