沖縄県那覇市で夜間中学校を運営する珊瑚舎スコーレ(星野人史代表)に講師の手当など運営費の一部を補助する県教育庁の事業が2017年度で終了する問題で、星野代表らスタッフ4人は12日、那覇市の県議会を訪れ、補助継続などを求める陳情書を提出した。
珊瑚舎の夜間中学校では、戦中・戦後の混乱期に義務教育を受けられなかった人たちが学んでいる。義務教育未修了の人は来年度以降も8人在籍する予定だという。
陳情書は県議会の新里米吉議長宛て。内容は「補助金打ち切りは戦後補償としての支援、(夜間中学校などを支援する法律の)教育機会確保法の精神に反する」として(1)珊瑚舎で学ぶことを希望する生徒の学ぶ権利の保障と支援(2)18年度以降の珊瑚舎への支援策の速やかな決定(3)珊瑚舎の生徒やスタッフが県議会で意見陳述する場を設けること―を求めている。
陳情書は県議会文教厚生委員会に付託され、22日に審議される予定。
星野代表は「しっかり審議してほしい」と述べた。教育機会確保法では、夜間中学の運営などを行政と民間が協力して取り組むことを打ち出していることにも触れ「(夜間中学校の運営を)県と一緒にやっていきたいと思う」と話した。