辺野古初契約、総額270億円 防衛省、埋め立て5工区で


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
防衛省の担当者(左)に要請書を手渡す辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会のメンバー=15日、衆院第2議員会館

 防衛省は15日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画を巡り、今月2日に埋め立て工事業者と契約したと明らかにした。新基地建設に反対し、埋め立て土砂採取予定地の市民団体などでつくる「辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会」(大津幸夫、阿部悦子共同代表)による聞き取りの場で説明した。土砂投入の契約は初。投入は早ければ6月にも行われる見込みで、工事が本格化する。

 防衛省は昨年10月に「シュワブ埋め立て工事」として5工区の工事を公告した。2日の契約で土砂の購入から運搬、埋め立てまでを工事業者と契約し、5工区総額で約270億円となった。本部町、国頭村産の岩ずりが投入される予定。

 2018年度には新たにケーソン護岸、辺野古ダムからの土砂採取について新たに契約するとした。

 県外から搬出される土砂に含まれる外来種生物対策は高温処理、塩水処理するとして洗浄はできないとの認識を示した。植物については検討中としたが、年度内には行われない見通し。 市民らは「生物多様性国家戦略を守るつもりがあるのか」などと疑問視した。

 辺野古土砂搬出反対協は防衛省に辺野古新基地建設撤回や土砂採取、ケーソン護岸建造の中止を求める要請書を提出した。同時に賛同する署名を新たに2万3411筆も出し、署名は計11万7310筆となった。