16年県内保護観察75%が少年 全国比20ポイント高 飲酒絡みや問題行動


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 2016年の県内の保護観察対象者は751人で、そのうち74・7%に当たる561人が20歳未満の少年だったことが那覇保護観察所への取材で17日までに分かった。全国平均が54・25%であるのに対し、沖縄は20・45ポイント高く、全国で最も高い。那覇保護観察所によると、全国では少年の割合が減少しているが、沖縄は横ばいで推移しているほか、飲酒に関係する事件や問題行動、無職少年の割合が高い傾向がある。

 少年の保護観察対象者561人のうち、家庭裁判所の決定で保護観察となったのが453人、少年院の仮退院者が108人だった。16年から過去3年では、全国は少年の割合が減ってきているが、沖縄は71~74%台で推移し、横ばいの傾向が続いている。

 保護観察を受けていた少年の非行の内訳は窃盗が177件と最も多く、次いで道路交通法違反が94件、傷害が46件、過失運転致死傷が17件だった。無職少年の割合は、保護観察処分少年の17%、少年院を仮退院した少年の58%だった。

 那覇保護観察所は、保護観察となった少年について「少年自身や家庭の力だけでは生活の崩れから脱出できず、軽微な非行を繰り返す少年もいるのが特徴」と分析。少年院の仮退院者についても「仮退院後も家庭に落ち着けず、家庭から離れ、就労や就学も不安定で、早期に不良交遊が再開するケースが目立つ」としている。

 非行に走る要因として、若年の結婚・離婚率が高く、生育環境が不安定となり、他者への不信感や自己否定感などにつながる傾向があると指摘した。同様の環境にある仲間に心のよりどころを求め地域の先輩、後輩とのつながりで不良行為を起こし、非行が繰り返されるパターンがあるとも分析した。小学生から万引などの問題行動が見られるなど、非行が始まる時期が早いことも特徴として挙げる。(池田哲平)