「幸せになってね」殺処分予定の犬2匹を家庭へ 沖縄・児童福祉施設の子らが世話と訓練


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子どもたちが約5カ月間、家庭犬用のトレーニングを施した「美星」(左)と「美月」=16日

 沖縄県内児童福祉施設の子どもたち6人が昨年10月から殺処分予定の犬を家庭犬にするためのしつけに取り組み、修了した。16日、修了式が施設内のグラウンドで開かれた。子どもたちは約5カ月間世話をした2匹の犬「美月」と「美星」にメッセージを書き込んだバンダナをプレゼント。バンダナを首に巻きながら「幸せな家族に出会えますように」と、名残惜しそうに頭をなでた。

 今回の取り組みは、子どもたちの情操教育につなげ、殺処分数の減少にも寄与しようと、県が県公衆衛生協会に委託した事業。児童福祉施設の子どもたちが殺処分予定の犬を譲渡するために、しつけを施す試みは全国でも初めてという。現在、複数人が犬の引き取りを希望している。

 子どもたちはこれまで施設内外で家庭犬に必要な「待て」や「伏せ」などの動作を教えた。最初は嫌がっていた犬のふんの片付けも、最後は全員が何のためらいもなくできるようになったという。しつけを手伝った訓練士の井上悦美さん(46)は「始めはめんどくさそうにしたり、声掛けもできなかったりした。でも最後は、訓練後も犬からなかなか離れようとしなかった」と振り返った。

 ムードメーカー役の小学4年の男児は「幸せな家庭にもらわれるならさみしくない」と言い切った。一方で「また会いたい」とつぶやき、複雑な心境をのぞかせた。