「2分遅かったら死んでいた」 友の命を救った高校生4人と教諭に感謝状 沖縄・浦商高


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長距離走後に倒れた外間匠さん(中央)を救い、浦添市から表彰された(左から)宮里清教諭、山城結梨乃さん、マーガード美樹斗さん(左から4人目)、豊里健教諭=19日、浦添市の浦添商業高校

 【浦添】同級生を救いたいという生徒たちの思いと、教諭による自動体外式除細動器(AED)の冷静な対応というリレーが生徒の命を救った。沖縄県浦添市の浦添商業高校で今年1月、長距離走後に特発性心筋症で倒れた3年の外間匠さん(18)の救助に当たった生徒4人と教諭2人に19日、松本哲治市長から感謝状が贈られた。同校で開かれた贈呈式で外間さんは「医師に『あと2分遅かったら死んでいた』と言われた。救ってもらった命を大切にして、健康に生きていきたい」と感謝した。

 表彰されたのは1日に浦添商業高を卒業した同校3年の山城結梨乃さん(18)、マーガード美樹斗さん(18)、多和田竜真さん(18)、宮城慎さん(18)と、宮里清教諭(41)、豊里健教諭(28)。多和田さんと宮城さんは体調不良で欠席した。

 同校では昨年夏、教職員を対象にAEDの速やかな使用を明記した「ASUKAモデル」という事故対応の講習を開いており、宮里教諭が講習を受けていた。

 外間さんは1月15日、体育の補習授業で同級生らと学校の外周を4周(4キロ)走り終え、寝そべった後、意識を失った。隣にいた多和田さんが声を掛けたが反応がなく、外間さんのサングラスを外すと苦しそうにしていたという。

 記録係をしていた山城さんが異変に気付いて駆け付け、アルバイト先で習ったという心臓マッサージを施した。補習を担当していた豊里教諭も人工呼吸や心臓マッサージを施しながら、AEDを持ってくるよう指示。宮城さんがAEDを、マーガードさんが担架を取りに走った。

 宮城さんから連絡を受けた生徒指導担当の宮里教諭は、「呼吸の有無などが分からない場合でも使う」と明記したASUKAモデルを思い出し、AEDの使用を開始した。周囲が外間さんの異変に気付いてからわずか2分後だった。浦添市消防本部の救急隊が駆け付けた頃には、呼吸と心拍数が正常に戻っていたという。

 山城さんは「入院した外間さんから『意識が戻った』と連絡があり、とてもうれしかった。皆さんも救命の講習を受けて、命をつないでほしい」と在校生に呼び掛けた。

 感謝状を手渡した松本市長は「119番通報する人、AEDを取りに行く人などの素晴らしい連係プレーが1人の命を救った」とたたえた。(松堂秀樹)

<用語>ASUKAモデル
 さいたま市で2011年9月、小学6年の桐田明日香さんが駅伝の練習中に心停止したにもかかわらず、救急隊到着までの11分間、AED使用などの心肺蘇生措置が行われず亡くなったことに対する反省から生まれた、同市の事故対応テキスト。意識や呼吸の有無が分からない場合にも迷わずAEDを使うよう明記している。