辺野古総工費 超過か 小野寺防衛相、指摘に明示せず


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 【東京】小野寺五典防衛相は23日の参院外交防衛委員会で、米軍普天間飛行場移設に伴う辺野古新基地建設の総工費が当初試算の3500億円を上回る約4135億円に達し、635億円超過すると指摘されたことに対し「不確定要素があり、全体の見積もりを話すことは困難だ」と金額の明示を避けた。

 藤田幸久氏(民進)がこれまでの支出総額に2018年度予算額などを加えて約4135億円という数字を算出し、質問した。

 小野寺氏は当初見積もりの約半分は入札や予算要求をしておらず、予算の約4割を占める埋め立てについても土砂の調達や輸送費が相場に左右されるために「不確定要素」があると総額の算出を困難視した。

 財務省は本年度までに約1260億円が支出予定で、来年度以降の既契約分約を含めると約2450億円の予算執行は確定的だとした。同時に資材価格や金利の変動など経済情勢の変化などで実際の建設費用が見積もりと異なる事例はあり、近年では関西国際空港、岩国基地が見積もりから経費が増大したと説明した。岩国は埋め立て面積、液状化対策、地盤沈下対策工事の追加で事業費が増えたという。