世界中の打撃系格闘技の最強を決めると銘打って1993年に始まった日本発の格闘技イベント「K-1」で、同イベントが最盛期だった90年代に3回世界王者になったピーター・アーツさん(47)がこのほど、地元オランダで自身のジム「Fitness Gym Okinawa」を開設した。2年前に現役選手のコーチとして沖縄で合宿をしたというアーツさん。沖縄に魅了され、ジムの名前に「OKINAWA(オキナワ)」を盛り込んだ。
アーツさんは本紙の取材に「沖縄は格闘技(空手)発祥の地だ」と敬意を示し、「沖縄や日本とのつながりを感じられる名前をジムに付けたかった。沖縄の健康的なライフスタイルが気に入った」と語った。
アーツさんは2015年11月から16年1月まで、プロキックボクサーのシング・心・ジャディブ選手のコーチとして糸満市内のホテルに滞在し、同選手と共に那覇市のキックボクシングジム「ワイルドシーサー那覇」で練習したという。
アーツさんが開設した「Fitness Gym Okinawa」はオランダ東部のオーファーアイセル州エンスヘーデ市にあり、広さは約900平方メートル。キックボクシングのリングや総合格闘技(MMA)用のマットの他、ウエートトレーニング器具が設置されている。高地低酸素状態にできる部屋も設置されており、多くの選手が汗を流している。アーツさんもキックボクシングのクラスを直接、指導している。
11日に開催された開所式には元K-1王者のアーネスト・ホーストさんやセーム・シュルトさんらかつてアーツさんとしのぎを削ったライバルらも駆け付けるなど、そうそうたる顔ぶれがそろった。
アーツさんが沖縄の練習拠点にしていたワイルドシーサーのオーナー都丸志功さん(45)は「どんな質問にも丁寧に答えてくれた」と振り返る。
アーツさんは「近々、また美しい沖縄に戻り、セミナーなどで地元の人と交流したい。常に支援してくれた沖縄、日本の皆さま、愛しています。押忍(おす)!」とコメントした。(松堂秀樹)