「天皇来県で米軍機停止」 ネットで話題、実際は飛行 普天間、嘉手納で騒音相次ぐ


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米軍嘉手納基地所属のKC135空中給油機

 【中部】天皇、皇后両陛下来県中の27~29日は「米軍機が飛ばず、静かになっている」などという話題がインターネット上で投稿された。しかし実際には米軍普天間飛行場や嘉手納基地の周辺でこれまで同様に米軍機が飛行し、騒音も測定された。

 ネット上では、基地周辺に住むという人から「天皇が来県してきょうは静か」といった声や「県民のことは無視するのに、天皇には配慮するんだね」などの投稿があった。

 宜野湾市の米軍普天間飛行場には29日午前、嘉手納基地所属の空中給油機KC135が飛来し、着陸してすぐに離陸するタッチ・アンド・ゴー訓練を繰り返した。100デシベル(電車が通るガード下のうるささに相当)超の騒音があった。

 米軍普天間飛行場周辺で県と宜野湾市が実施する騒音測定で27、28の両日、市内全8測定局で騒音が記録された。上大謝名公民館で27日に51回、28日に72回の騒音が測定された。27日は普天間中学校で最大94デシベル、28日は上大謝名公民館で最大96デシベルの騒音があった。

 嘉手納基地周辺の市街地上空でも米軍機が飛び交い、各地で騒音が測定された。沖縄市、嘉手納町、北谷町でつくる「米軍嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」の28日の調査で、航空機の離陸や着陸、旋回などが同日午前7時から正午までの5時間で120回以上あった。嘉手納町屋良の道の駅かでなで最大で107・1デシベルを測定した。

 沖縄市知花では27、28の両日とも1日100回前後の騒音が測定され、100デシベル超もあった。北谷町砂辺では28日、最大113・4デシベルの騒音が記録された。29日分の測定結果は30日以降に公表される。