那覇市議会が所蔵する復帰前の議事録が3月までに電子化された。那覇市議会のホームページで閲覧でき、検索なども可能になる。同様の事例は県内で初めて。3日、翁長俊英議長らが記者会見し、発表した。
電子化されたのは、市議会が所蔵する米国統治下時代の1948年と1952~72年5月30日分までの議事録。対象の204冊のうち、下書きメモなどをのぞく160冊分5万3078ページが電子化された。
議事録に掲載している条例や予算案なども含めてテキスト化され、市議会のホームページから電子書籍としてダウンロードできる。議事録の発言部分は、1995年以降の議事録検索システムと同様に発言者や発言での検索が可能になった。
電子化事業は2013年度から始まり、年度ごとにホームページに更新してきた。事業費は沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)を活用し8827万円。
議事録には、首里市、小禄村、真和志市と那覇市の合併に関する議論や、瀬長亀次郎元市長の不信任を巡る市議会最長の82日間の議会などが掲載されている。翁長議長は「那覇市が現在の姿になった経緯を知ることができ、現在抱えている問題について考える材料になる。宝の資料だ」と述べ、活用を呼び掛けた。【琉球新報電子版】