はしか感染拡大21人に 県、乳児接種の半額助成


この記事を書いた人 Avatar photo 桑原 晶子

 沖縄県地域保健課は5日、新たに男女3人の麻疹(はしか)感染を確認したと発表した。県内で4年ぶりの患者が3月下旬に判明して以来、患者数は計21人になった。感染拡大を受け、県保健医療部は、無料で受けられる定期予防接種(第1期・1歳、第2期・小学校就学前の5歳以上7歳未満)の対象外になっている6カ月~1歳未満に対しても、ワクチン接種費用の一部を助成する方針を決めた。

 新たに感染が確認されたのは県内に住む20~40代男女。はしかは乳幼児がかかって重症化すると死亡するケースもあり、対策が急務となっている。那覇市と石垣市は、6カ月~1歳未満の乳児への予防接種を、県の補助も含めて全額公費で負担し、無償化することを決めた。石垣市は7日に集団予防接種を実施する。

 はしかを防ぐには2回の予防接種が有効で、定期予防接種の期間内であれば原則として全額公費で負担される。ただ、この時期を逃すと個人で受けなければならず、基本的には自己負担になる。はしかと風疹の混合ワクチン(MRワクチン)は1回約1万円、はしか単独のワクチンは約5千円を要する。

 県は6カ月~1歳未満の対象者を約8500人と見込んでいる。6月までに実施した分の半額を補助する方向で調整している。残りはそれぞれの市町村が対応を決める。

 県などによると、生後しばらくは母親から移行した抗体があるが、6カ月を過ぎるとなくなる。そのため生後6カ月以降は、病気にかかりやすくなるという。県保健医療部の砂川靖部長は「心配した保護者からの問い合わせが増えている。補助によって金銭面の不安を取り除き、積極的に受けるよう勧めたい」と話している。