今年2月、糸満市内の中学に通う13歳の男子生徒が不整脈を起こし心肺停止状態に陥ったが、教員らが自動体外式除細動器(AED)を活用し蘇生をはかるなど的確な応急処置を施したことが奏功し、一命を取り留めた。
男子生徒は現在、南風原町の南部医療センター・子ども医療センターに入院しているが順調に回復しており、8日に退院し9日から新学期を迎える。
男子生徒の主治医は「少し遅れれば命に関わっていた。先生方の迅速かつ的確な対応が素晴らしかった」と述べ、今後、各学校で応急措置の基礎知識が普及することに期待を寄せた。
男子生徒は小学5年の時に不整脈を起こす心房粗動だと診断された。これまでも薬を服用していたが、倒れたことはなかった。
2月28日に卒業式の準備をしていたところ「急に呼吸が苦しくなり、気がついたら体育館の前で意識を失っていた」という。
現場を通りかかった養護教諭が倒れている男子生徒に気付き心臓マッサージを施し、さらに他の教員と連携しAEDを装着するなど応急処置に当たった。
主治医によると若年で不整脈を起こす例は非常にまれで、男子生徒が不整脈を起こした原因の究明と今後の容体変化への警戒が必要だという。
県内の各学校ではAEDが装備されているが、数が不十分な学校もある。主治医は「子どもたちの万が一のためにも各学校に複数置いておくのが理想的だ」と指摘した。【琉球新報電子版】