迫力、空手VR! 県がプロモーション動画作成 型の保存にも活用


この記事を書いた人 大森 茂夫
VRで表現された空手を体験する関係者=6日、那覇市の沖縄セルラー電話

 沖縄県文化観光スポーツ部は6日、仮想現実(VR)を活用した沖縄伝統空手のプロモーション動画を作成した。県空手道連盟理事長で上地流空手道拳優会の新城清秀会長による迫力ある演武を4K高画質の3Dコンピューターグラフィックで表現した。手指や足先の細かな動作も忠実に再現した。山川哲男県空手振興課長は「一撃必殺の迫力が眼前で体感できる」と特徴を語った。県のイベントなどで活用し、空手発祥の地・沖縄を世界に発信する。

 動画は県が空手広報事業の一環で委託し沖縄セルラー電話とIMAGICAウェストが共同で開発した。

 新城氏の肉体や型の演武を、97台のスチールカメラや、人体の動きをコンピューターに取り込めるモーションキャプチャー技術でデジタル化した。視点を前後左右へ自由に変えられ、型の動きや手足の角度まで細かく表現した。
 
「新城先生の手足が飛んできて私も2、3本骨が折れた」とユーモアを交えてVR映像の迫力を語る山川課長。「本物の空手演武を間近で見ることは困難だが、VRなら身近で体感できる。型の動き、手足の角度、足先の使い方まで表現でき、沖縄空手の型の保存にも活用できる」と期待する。今後は、別の流派のVR化も検討するとした。

 VR映像を見た新城氏は「中身がどうなるか分からないまま収録した。緊張感が動きにも出ている」と語った。

 沖縄セルラー電話の甲斐田裕史理事は「デジタル化することで100年も200年も残すことができる。空手発祥の地・沖縄を発信していきたい」と狙いを語った。

 VR映像は23日に県庁で開く「第1回沖縄空手国際大会」の100日前イベントでお披露目する。