沖縄県環境部がサンゴの保全に関し、本年度中にオーストラリアの国立海洋科学研究所と白化対策に関する協定を結ぶ方向で調整していることが5日、分かった。県は2014年度から昨年度までの4年間、同研究所とオニヒトデ増殖の対策に関する協定を締結していたが、さらにサンゴの白化対策にも研究範囲を広げ、互いの知見を生かす。
オニヒトデの増殖はサンゴの死因の一つ。オーストラリアは世界最大のサンゴ礁「グレートバリアリーフ」を有し、県内と同様にサンゴの白化問題を抱えている。これまでの協定の下、県はオニヒトデ増殖のメカニズムや増殖を予想する手法をまとめてきた。同時に職員をオーストラリアに派遣し、現地で研修するなど交流も深めている。
県はサンゴの苗の開発や恩納村と読谷村、座間味村で計約3ヘクタールの植え付けを実施するなどの養殖の実績があり、研究所側からも協定に期待が寄せられている。