【アメリカ】米の楽器博物館、エイサーも紹介 1万5千点展示 アリゾナ州


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
楽器博物館に展示されているエイサーのパネル=米アリゾナ州フェニックス

 米アリゾナ州の州都フェニックスにある楽器博物館(Musical Instrument Museum)は2010年に開館した。世界200カ国の楽器約1万5千点を展示しており、世界最大規模といわれている。創設者は米大手小売業ターゲットの会長。2億5千万ドルの自己資金を投入し、設置した。

 博物館は「音楽は、魂の言葉」をテーマに映像モニターが設置され、イヤホンで直接、楽器音を聴きながら見学できる。ジャンル別に著名なミュージシャンの楽曲が鑑賞できるギャラリーもあり、人気歌手のテイラー・スウィフトのギターや、故ジョン・レノンが「イマジン」を作曲したときのピアノが展示されている。それらの前で聴く楽曲は格別だ。

 北米、ヨーロッパ、アジア、オセアニア、アフリカなど各地域ごとに分かれ楽器が紹介されている「ジュオグラフィックギャラリー」では、楽器の音色を楽しみながら世界を旅する雰囲気が味わえる。ギャラリーに足を踏み入れると、何と正面に設置された沖縄の小学生が舞うエイサーの大きなパネルが目に入ってくる。そのエイサーパネルに関して何の説明もないが、さすが世界の楽器博物館、沖縄伝統音楽をも紹介している。日本コーナーを見ると能、文楽、雅楽、尺八だけであった。

 展示の内容については学芸委員が実際に日本に赴き、現地の学芸員らのアドバイスを得て展示されているという。せめて誰の目にも入ってくるエイサーに関する説明と、三線だけでも展示してほしいと思った。
(鈴木多美子通信員)