【ハワイ】平和祈念資料館、新垣さん沖縄戦語る 出張平和講話


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生徒らに沖縄戦について講話した県平和祈念資料館の新垣成美学芸班主査(左から2人目)とヘルナンデス・モース・ジョシュ校長(右端)ら学校関係者=米ハワイ州ホノルル市のパシフィック・ブディスト・アカデミー

 糸満市の県平和祈念資料館による出張平和講話がこのほど、米ハワイ州ホノルル市のパシフィック・ブディスト・アカデミー(PBA)で行われた。PBAに所属する9~12年の全生徒55人が出席し、講師を務めた同資料館学芸班主査の新垣成美さんの話に聞き入った。

 ホノルル市のイオラニスクールで昨年実施された出張平和講話に出席した本願寺の関係者から要望があり、平和教育担当オオタケ・ローレン教諭の協力の下に今回、開催が実現した。

 講話で新垣さんは「沖縄戦の実相や戦争を通して得た普遍的な教訓を国内だけでなく国外の児童生徒にも伝えたい。米国の次代を担う市民として、平和について何ができるかを考えてほしい」と訴えた。新垣さんの熱い思いに聞いた生徒らが講和後立ち止まり、感想を言ったり感謝の意を表したりしていた。

 PBAのヘルナンデス・モース・ジョシュ校長は「本校は平和教育に力を入れており、沖縄県に先祖のルーツを持つ生徒が多いことから今回の講話をお願いした。沖縄戦の写真や話、沖縄戦体験者が描いた戦時を回想する絵が生徒たちの心に強く訴えかけていた。戦争は避けなければいけないという新垣さんの強いメッセージが私の心にも生徒の心にも刻まれた」と語った。

 12年生の日本出身の橋本伽子さんは、沖縄の歴史や沖縄戦についての話を聞いたのは初めてという。「沖縄戦の話を聞いて、怖くなることもあったが、大変興味を持った。これからも勉強できる機会を持ちたい」と感想を語った。
(矢部久美子通信員)