沖縄県地域保健課は9日、新たに1人の麻疹(はしか)感染を確認したと発表した。県内で4年ぶりのはしか患者が3月下旬に確認されて以降、患者は計34人となった。県内の多くの小中学校が9日に始業式を終え、学校生活が本格化する。県教育委員会などは学校での感染を防ごうと警戒を強めている。
新たに確認されたのは、那覇市に住む6歳の女児で、予防接種歴がない。女児の親もはしかにかかっており、県は家族間で感染した疑いがあるとみている。県によると、8日ははしかの可能性がある10人を検査し、このうち1人の感染が判明した。
那覇市教育委員会は、各校に感染拡大を防止するための注意喚起を出した。特に登校時の児童や生徒の健康状態を確認することや、発熱が確認された場合に備え、待機できる別室を用意することなどを強く求めた。入学式の会場にもポスターを掲示し、感染拡大を防ぐため周知を図るよう促した。
県教委では、感染拡大を受けてこれまでに2度、市町村教委などに感染予防や発生時の対応を記した文書を配布した。
県は、定期予防接種前の6カ月~1歳未満の乳児へのワクチン接種費用について、市町村が負担する場合、県も半額ほどを補助すると決めている。宮古島市は9日、県の補助を利用し、6カ月~1歳未満の乳児への予防接種を全額公費負担すると発表した。