はしか、予防接種できるか確認を 医療機関 希望者急増で要望


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予防接種の効果について説明する玉井修院長=9日、那覇市の曙クリニック

 沖縄県内で相次いで感染が確認されている麻疹(はしか)は、強い毒性を持ち、かかると抗ウイルス薬はない。予防接種が有効といわれ、医療機関にはワクチン接種に訪れる人が急増している。乳幼児だけでなく、子どもを持つ親の姿もあるが、妊娠中など接種できないケースがあるといい、医療現場からは「混乱を避けるためにも、自分が接種できる状態か確認してほしい」との声が上がっている。

 「やっぱり受けません」。那覇市の曙クリニックでは4月、予防接種に訪れた女性が問診票を記入後、そのまま帰った。妊娠中や、妊娠の可能性がある場合は接種できない。さらに、接種後2カ月は避妊の必要がある。せっかく足を運んだにもかかわらず、接種できず帰る人もいたという。

 予防接種を受けたかどうか分からず、抗体検査を希望する人も。ただ、検査は自費で、結果が出るまでに10日ほどかかる。さらに、ワクチンを打っても抗体ができるまで2週間ほどを要する。

 県内の複数の医療機関によると、今のところはしかと風疹の混合ワクチン(MRワクチン)は安定して供給されているという。曙クリニックの玉井修院長(54)は「収束に向け、今が大切な時期。幼い子どもがいる親や、観光関係のような不特定多数と接する職業の人は早めに打ってほしい」と強調する。

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