はしか「風評被害出かねない」 沖縄県、ワクチン接種呼び掛け


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観光産業従事者へのワクチン接種を呼び掛ける県の文書

 はしか感染者35人のうち少なくとも8人が観光・接客業従事者だったことを受け、観光業界に懸念が広がっている。最初の感染者である台湾人旅行客が沖縄県内の観光地を巡っていたことから、接触した観光関係者が感染するケースが相次いだ。業界からは、はしかの感染が広がり続ければ「風評被害で観光業に影響が出かねない」との懸念の声が上がる。県文化観光スポーツ部は10日、関係団体に観光客への注意喚起や従業員のワクチン接種を呼び掛ける文書を発送した。

 県によると、台湾人旅行客と接触があった人のうち、中部の飲食店に勤務する男性などへの感染が確認されている。10日には那覇市内の商業施設に勤務する男性への三次感染とみられる事案も発覚した。

 県や業界は観光客への感染が進めば好調な沖縄観光に悪影響も与えかねないと危機感を募らせる。県が発送した文書でははしかの症状や対応できる医療機関を日本語、英語、中国語、韓国語で案内している。

 県観光振興課は「はしかが流行する中、訪日外国人客にもはしかの危険性を注意喚起する必要があると判断した。医療機関の受診方法など、はしかの正しい情報を伝えたい」と語った。

 観光関連従事者への感染の広まりを受け、沖縄観光コンベンションビューローは沖縄コンベンションセンターや旧海軍司令部壕など所管する4施設の職員に対し、体調不良を感じればすぐに医療機関にかかるよう呼び掛けている。翁長由佳企画・施設事業部長は「風評被害が出れば観光全体の打撃となる。風邪かなと思ったら、自己判断せず検査してほしい」と早めの受診を訴えた。

 県ホテル旅館生活衛生同業組合の宮里一郎理事長は「観光客が安心安全に過ごす環境は美しい海を守ることやテロが起きないことと同じくらい大事なことだ。対策を考えていきたい」と話し、状況を見ながら今月中旬に開かれる定例会議で話し合う考えを示した。