客船料理に沖縄食材 JAおきなわ、香港クルーズ社と提携 輸出拡大狙う


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沖縄和牛の中華鍋揚げ、あぐー豚のチャーハンなど県産食材を使ったメニューの一例

 JAおきなわ(大城勉理事長)は10日、クルーズ船会社・ゲンティン香港と提携し、クルーズ船内で提供する料理食材として沖縄の農畜産物を供給する覚書を交わした。県産和牛やあぐー豚といったブランド畜産物など沖縄食材の海外での認知度を高め、将来的な輸出拡大につなげる狙いだ。今後は沖縄料理の提案やイベント実施など協力範囲を広げ、県産農畜産物の定番化を目指す。

 ゲンティン香港のクルーズ船は11月末までに約160回沖縄に寄港し、最大で33万人の乗客が来沖する予定だ。JAおきなわは畜産物をはじめゴーヤー、カボチャなどの青果物や黒糖、シークヮーサーゼリーの加工品も提供する。売り上げは2千万円を見込む。一部食材は船内でも販売する。

沖縄の農畜産物を提供する覚書を交わす(右から)JAおきなわの大城勉理事長とドリームクルーズ社のT・ブラウン社長、レオスポの林玲取締役=10日、那覇新港に寄港したワールドドリーム船内

 同JAがクルーズ船へ食材を供給するのは初めて。初回の10日は県産和牛とあぐー豚の肉計200キロなどを提供した。

 10日、那覇新港に寄港した客船・ワールドドリーム(最大乗客数5千人、15万695トン、全長335メートル)の船内で、JAの大城理事長とゲンティン香港傘下でドリームクルーズ社長のサッチャー・ブラウン氏、両社を仲介するレオスポ(浦添市)の林玲(リンレイ)取締役が覚書に調印した。

 大城理事長は「沖縄で育まれた安心安全な食材を提供する。相互の関係をさらに発展させ、県産農畜産物の輸出拡大につなげたい」と語った。ブラウン社長は「沖縄の食材を通じて、洋上でも本物の沖縄体験を提供できることをうれしく思う」と述べた。