普天間高移転を断念 西普天間区 県、用地取得進まず


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 2015年3月に返還され、ことし3月末に地権者に引き渡された米軍キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区跡地について、沖縄県立普天間高校の移転構想が事実上、断念される方向となった。平敷昭人県教育長は「用地取得が進んでおらず、非常に厳しい」と話した。

 県は17年8月から、移転に必要な土地の先行取得に向けて地権者との交渉を続けてきたが、実際の買い取りは必要面積約7・5ヘクタールの約3%。返還後の汚染除去などを経て、土地の引き渡しも終えたことから、先行取得のための基金も使えなくなった。普天間高校がある県有地を西普天間地区の交換地とする区画整理の手法も政府や宜野湾市と調整し、地主に提案したが、買い取りは進まなかった。

 県幹部は最終的に土地を収用する選択肢については「もともと米軍用地として強制的に奪われた土地だ。やっと返還された後に今度は県が強制的に取得することはできない」と述べ、地主が売却に同意しない限りは計画を進めるのは難しいとの見方を示した。