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赤い目で「すいません」 失意の大吾、言葉少なく


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試合に負け、トレーナーに付き添われながらリングから控室に戻る比嘉大吾(左)=15日、横浜アリーナ

王者の地位を失い、ファンの期待も裏切った比嘉大吾は、試合会場から出た後、ふらつきながら廊下を歩いていた。途中から野木丈司トレーナーに肩を支えられ、メディカルチェックへ。控室に戻ると、頭からタオルをかぶった。

その後、比嘉陣営は病院へ向かうため駐車場へ向かった。歩きながら記者から質問を受けた野木丈司トレーナーは「後日、しっかり話しますから」とのみ返答。比嘉も、ひとしきり涙した赤い目でいつもの柔らかい表情をつくり、「後で話します。すいません」と小さく頭を下げた。

計量失敗という世界戦において日本人初の大失態。一夜明けて再計量をクリアしたが、具志堅用高会長は比嘉が会場に着くまで試合中止を考えていたという。

試合直後、比嘉に痛烈なヤジを飛ばす観客に、別の観客が「ふざけるな、このやろう」と言い合うなど、ファンの間でもさまざまな感情が入り交じる場面もあった。

約2カ月という短期間での減量。「私の責任」と語る具志堅会長の見通しの甘さに批判も集中する。さらに、今後は日本ボクシングコミッションからの厳罰が予想される。

ただ、世界王者となり、15戦連続KO勝利という日本記録に並んだ実績は、実力者の証しだ。比嘉には可能性も時間もまだある。長期出場停止を自身を省みる休養期間とし、どん底からはいあがる姿を待ち望む声は少なくない。(嘉陽拓也)