【ブラジル】夢抱き 沖縄で新生活 県費留学生、習慣や伝統文化学ぶ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
新里マルコス明さん
高良ダイヤナ・ノハナさん
照屋ブルーノ・ヒトシさん

 4月に入りブラジルの3人の若者が県費留学生として沖縄に向けて旅立った。3人はブラジル沖縄県人会が2017年に実施した県費留学生推薦選抜試験を通過した。それぞれ母県で沖縄文化を学びながら新生活をスタートさせる。

 琉球大学に留学する新里マルコス明さん(34)=西原町3世=は3人の中で一番年上。ブラジル西原町人会の会長、沖縄県留学生や研修生のOBでつくる「うりずん会」副会長を務める。サンパウロ大学工学部を卒業し、現在は都市インフラ整備プロジェクトに携わる土木技師でもある。16年には西原町で研修した。

 留学中は「なぜお線香は三本たてるのか」「なぜ一日と十五日にあげるのか」など沖縄の習慣や儀式など、ブラジルとの違いを理解し、ブラジルで共有したいという。留学先の琉球大学では、日本語や日本、沖縄の文化を学ぶそうだ。

 県立芸術大学に留学する高良ダイヤナ・ノハナさん(27)=那覇市3世=はサンパウロ大学でデザインを専攻している学生だ。芸術に興味があり、沖縄では陶芸や琉球ガラスなどを学びたいという。帰国後は留学体験を卒業論文に盛り込み、大学を卒業する予定だという。

 照屋ブルーノ・ヒトシさん(30)=父方糸満・母方首里と具志川の3世=は広告業務に従事するデザイナーだ。15年に那覇市の研修生として沖縄に滞在。三線、陶芸、漫画などを学び、デザイン会社で研修もした。今回は紅型を学び、帰国後は沖縄文化をモチーフにした洋服のブランドを立ち上げ、沖縄を発信し、沖縄県の観光に貢献したいという。
(城間セルソ明秀通信員)