【ブラジル】日系まつり 地域定着 ミスコン、着物行列好評


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日系まつりでブラジル日系社会の主な人物に囲まれ開会のあいさつをする県系2世のタマエ・トシアキ実行委員長=7日、ブラジル・サンパウロ市のラテンアメリカ記念公園

 「モッタイナイ」をテーマにした「第11回日系まつり」(タマエ・トシアキ実行委員長)が7、8の両日、サンパウロ市西地区にあるラテンアメリカ記念公園で行われた。開会式には日系団体の幹部や政治家らブラジル日系社会の主な人物が参列。特設会場では日本の文化を代表する各種の演目が披露され、ミスコンテストも開催された。

 日系まつりに伴い3月28日から4月14日まで、同記念公園のチラデンテス・イベントホールで日系ブラジル人と日系文化を愛する芸術家60人による作品展が行われた。ラテンアメリカ図書館では日系女優サノ・クリスチーナさんをはじめアジア系俳優グループによる短編映画祭も行われた。

 2005年から開かれている日系まつりはイベントのほか、ミスコンに参加する着物姿の出場者がサンパウロ市内の日本町「リベルダーヂ」やオフィス街のパウリスタ通りを練り歩くことが定番化。2010年には市の行事に組み込まれ、11年からはサンパウロ州の観光行事となっている。

 日系まつりの発案者の一人、タマエ実行委員長(59)=具志頭村2世=は聖北(サンパウロ市北地区)文化体育連合会を構成するブラジル沖縄県人会サンタマリア支部の会員だ。タマエ実行委員長は「まつりは当時、聖北の12の日系団体で開催していたが、今では個人レベルで非日系人も参加している」と話す。「なくなるかもしれないが、子孫に日本文化を伝えたい」とイベント開催への思いを語った。

 初日には「ミス日系まつり」が行われた。15~30歳の日系人女性20人が参加。土木工学専攻の技大生、山田ユミさん(22)が「ミス日系まつり」に輝いた。山田さんは日本移民110周年を祝う7月の「日本祭り」のミスコンテストでブラジル全国のミスと競うことになる。入賞はしなかったが、沖縄にルーツがある3世の青木ピエトラさおりさん(20)、4世の比嘉マルセーラさん(27)、4世の上地レチーシアさん(18)、2世の当山ナタリーひかりさん(16)の4人も出場した。(城間セルソ明秀通信員)