渡嘉敷島伝統の「女の正月」 ごちそう、お酒、踊り… 主役は女性


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女性が主役の渡嘉敷区の「サングァチアシビ」で浜下り行事を楽しむ住民ら=19日、渡嘉敷港待合所広場

 【渡嘉敷】沖縄県渡嘉敷村の渡嘉敷区(稲守清昭区長)、阿波連区(金城健一区長)で、旧暦3月3日と4日に当たる18、19の両日に伝統行事「浜下り」が行われた。

 渡嘉敷村の浜下り行事は、旧暦3月3日に女性たちが潮干狩りで身を清め、各家庭ではごちそうを詰めた重箱を仏壇に供え、家族の健康、繁栄を祈願するのが習わし。阿波連区では、区長らが区の拝所で区民の健康を祈願した後、村住民や観光客らが阿波連ビーチ沖合の無人島「ハナリ島」に船で渡り、潮干狩りや魚汁料理などを楽しんだ。

 渡嘉敷区では、旧暦3月4日は「イナグヌショウグァチ」(女の正月)と言われ、女性が主役の「サングァチアシビ」(3月遊び)を行う。この日は区民が料理や振る舞い酒(ヤマモモ酒)を持参し、子どもからお年寄りまで大勢が渡嘉敷港広場に集まり、女性が主役の「サングァチアシビ」が行われた。お年寄りの女性たちのチジン太鼓に合わせて参加者が歌い踊り、女性が主役の浜下り行事を祝って楽しいひとときを過ごした。

 島の伝統民謡を披露した冨里ヨシさん(89)=渡嘉敷区=は「先祖代々から浜下り行事を盛大に祝ってきた。島の伝統行事はいつまでも守り続けてほしい」と話した。(米田英明通信員)