沖縄が日本から切り離され「屈辱の日」と呼ばれた1952年のサンフランシスコ講和条約発効から66年を迎えた28日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で「4・28県民屈辱の日を忘れない県民集会」(同実行委員会主催)が開かれた。主催者発表で約1500人が参加した。米軍属女性暴行殺人事件の発生から2年とも重なり、集会の冒頭で被害女性の冥福を祈り全員で黙とうした。
県民集会は沖縄の過重な基地負担に抗議し米軍普天間飛行場の辺野古移設に伴う新基地建設や憲法9条改正への反対も掲げた。
主催者を代表し、高良鉄美実行委員長(琉球大学法科大学院教授)は「屈辱の日」について「私たちの思いが無視された。憲法から沖縄は分離されて基本的人権や平和主義も、国民主権からも外された」と指摘した。新基地建設についても「基地を造らせないという思いも無視されている。屈辱が70年間続いている」と国の姿勢を批判した。
米軍属女性暴行殺人事件に触れた県統一連の中村司代表幹事は「(被害女性の)父は『基地があるゆえに起きた事件だ。全ての米軍基地を無くしてほしい』と言った。それに反して新たな基地建設などもってのほかだ」と断じた。
27日の南北首脳会談で非核化へ取り組む目標が確認されたことを受けた指摘も上がった。沖縄平和市民連絡会の宮城恵美子共同代表は「南北朝鮮の動きを支え、後戻りさせないようにしたい。平和になれば、もうここに軍事基地はいらない」と強調した。
大浦湾では辺野古新基地建設の作業が続く。ヘリ基地反対協議会の仲本興真事務局長は「朝から海上で作業が行われている。あの場所はジュゴンの餌場だ。貴重なサンゴもあり、とても胸が痛む」と声を落とした。
「今後、大事なのは島ぐるみ会議の活動だ。地域から政治を変える闘いをしていこう」と呼び掛けた。