泡盛、豪州へ輸出 琉球物産貿易連合が6蔵の品 3ヵ月ごとにコンテナ単位


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輸出に向けまとめられる6社の泡盛=2日、浦添市の琉球物流伊奈武瀬倉庫

 地域産品の海外輸出などを手がける沖縄県の琉球物産貿易連合(高良守社長)は、琉球泡盛のオーストラリア輸出を始める。初回は市場テストを兼ねて17銘柄計128ケース(240万円相当)を輸出する。沖縄から直接豪州へ泡盛が輸出されるのは初めてといい、現地で人気があるウオッカなどと並ぶハードリカーとしての定着を狙う。高良社長は「泡盛の出荷量減少が続く中、大きな市場が見込める海外への輸出を増やし、業界の発展にもつなげたい」と意気込む。

 琉球物産貿易連合は今回、久米仙酒造、崎山酒造廠、崎元酒造所、瑞泉酒造、宮の華、新里酒造の6社の泡盛を輸出する。3カ月ごとにコンテナ単位の輸出を予定する。本年度の売上高は800万~1千万円を見込む。次年度以降は2千万円に拡大する計画だ。

 豪メルボルンに拠点とする在留邦人が昨年、観光で訪れた沖縄で泡盛のとりこになったことが輸出のきっかけ。アルコール度数の高いハードリカー好きを中心に一定の消費が見込めると判断し、現地で酒類を取り扱う免許を取得した上で事業化した。

 琉球物産貿易連合が蔵元から酒を買い取り、沖縄で手続きをした上で直接輸出する。琉球物産貿易連合が輸出元となることで輸出手続きなどで蔵元の手間を省け、支払いの回収漏れなどの懸念もなくなる。混載することで通関に掛かる経費も減らせるという。

 高良社長も泡盛出荷量の減少に懸念を深める一人。「ハードリカーを好む白人層には蒸留酒としてのニーズがある。今回の輸出を通し、市場が日本国内だけではないことを酒造所が意識するきっかけになってほしい」と期待した。

 宮の華(宮古島市伊良部、下地さおり社長)は10ケースを輸出する。同社の下地香奈子さんは「小さな酒造所にとっては税関への資料提出など輸出のハードルが高く、まとめて輸出してもらうことはメリットが大きい」と感触を語った。「今回の輸出で泡盛の魅力を知ってもらい、継続的な輸出につながってほしい」と期待を込めた。