米軍嘉手納基地で消火剤噴出 基地外流出は確認されず


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米軍嘉手納基地内で風にあおられ舞い上がった消火剤とみられる白い泡=4日午後

 【嘉手納】沖縄県嘉手納町水釜近くの米軍嘉手納基地内で4日正午ごろ、消火剤の白い泡が大量に発生した。米空軍によると整備用格納庫の消火設備から消火剤が噴出した。米空軍は「国道58号を通行していた車両を驚かせたのであれば大変申し訳ない」と謝罪した。消火剤は環境や人体には無害だが、「軽い皮膚刺激を生じることがある」と説明した。基地外への流出は確認されていない。

 目撃者によるとフェンスの約200メートル内側で、消火剤の泡が高さ5メートルにも達しているように見えたという。泡は正午すぎから見られ始め、約2時間の回収作業の間は、風に吹かれて周辺に舞い上がっていたという。基地内ではパトカー数台が出動し、国道58号側の基地内道路を一部交通規制していた。

 同基地では2014年にも化学消防車から発生した消火剤とみられる泡が、隣接する嘉手納町の住宅地に飛散していた。15年5月には航空機格納庫で酒に酔った海兵隊が悪ふざけをして消火剤を噴霧するスイッチを入れ、消火剤が基地外の民間地まで流出。流出した消火剤にはがんや神経・生殖被害を引き起こす物質が含まれていた。また16年に、国内で原則使用が禁じられている有機フッ素化合物(PFOS)を含む泡消火剤が同基地内にあることを明らかにしている。

 當山宏町長は「(事故が起きた場所と)居住地域が隣接している。米軍側にはしっかりと再発防止策を取ってほしい」と述べた。