栄養価注目で製品開発 洋菓子不二家フェア実施


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沖縄黒糖スイーツフェアで提供された「黒糖モンブラン」(不二家提供)
沖縄黒糖スイーツフェアで提供された「黒糖シフォン」(不二家提供)

 沖縄黒糖の生産量(速報値)は2年連続で9千トンを超える豊作となった。一方で業界関係者は8千トン程度を平均とみており、供給過剰を懸念している。

 一方、黒糖の栄養価などが注目され、製品に取り入れる例も増えている。全国で約900店を展開する洋菓子の不二家(東京)は、4月10日から約1カ月間、「沖縄黒糖スイーツフェア」を初めて実施し、好評を得たという。沖縄黒糖の消費拡大へ、関係者はイベント出店や加工原料の需要拡大に取り組んでいる。

 不二家は多良間島産の黒糖を使い、ロールケーキやエクレア、モンブランなど5品を販売した。同社の担当者は「地域の素材にこだわり、沖縄黒糖を選んだ。反響が大きく、店頭の評判も良かったので今後の展開も考えたい」と前向きな姿勢を見せた。

 黒糖の消費は、全体の約8割が原料に加工され、残り2割が一般家庭などで消費される。中でも定番化したかりんとう商品や黒糖あめなど中高年に好まれる商品が主流だという。県黒砂糖工業会の宇良勇業務課長は「黒糖は年配の方が食べることも多いが、黒糖ラテなどの商品も出ている。若い人向けのスイーツが増えれば」と加工品の広がりに期待する。

 黒工会も独自の取り組みで、黒糖の消費拡大を図る。5月10日の「黒糖の日」に合わせたPRイベントをはじめ、SNSを開設して情報を発信する。宇良課長は「黒糖にはサトウキビの栄養が詰まっている」と魅力を語り、黒糖の販売網拡大を狙う。