復活棚田で田植え 楽しんで国頭村奥の風情体感


社会
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楽しく田植え作業をする参加者ら=4月7日、国頭村奥川下流の棚田

 【国頭】国頭村奥区でこのほど、自然流工房「奥庵」による農業体験学習として田植えが行われた。豊かな清流の水をたたえた棚田は奥川流域に5年前に復活した。棚田はオーナー制をとっているが、当日はオーナー以外の一般の希望者ら、村内外から3世代家族を含めておよそ25人が参加し、面積300坪のうち80坪の田植えを体験した。

 参加者らは子どもから大人まで横一列に並び、上流側、下流側に分かれて植え付け。収穫は8月ごろを予定している。

 環境保全活動などに取り組む特定非営利活動法人仕事人倶楽部(東京)の山田洋司理事長や、沖縄マルチタレントとして活動中の川満しぇんしぇー(川満聡さん)も顔を見せ、田植えを手伝うなど参加者らを激励した。

 奥庵代表の糸満盛也さんは「この場所は豊富な水が近くにあり、昔ながらの田んぼをせっかく復活させたので継続していくことが大事だと思う」と話す。また「集落は高齢化が進み農業などは厳しい状況だが、うまくオーナー制度を利用しながら奥区の風情の良さを伝えていきたい」と語った。

 今年3月、奥小学校を卒業した国頭中1年の宮城美桜さん、新城琴巳さんも参加した。「最初は寒くて大変だったけど、植え方も教えてもらってだんだん慣れてきて稲を楽しく植えることができた。自分たちで食べる米になるまで元気に育ってほしい」などと感想を述べた。
 (新城高仁通信員)