沖縄県議会、慰霊の日の対応が試金石に 今後の知事日程


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 退院会見で膵臓(すいぞう)がんを公表した翁長雄志沖縄県知事は、治療と体力の回復に努めながら徐々に公務の復帰を進めていく考えを示した。ただ、今後の県政運営では重要日程がめじろ押しだ。

 6月中旬には県議会6月定例会が開会するが、連日の知事答弁や議場待機は心身の負担が想定される。与野党共に「病気の治療に専念してもらった方がいい」と知事の欠席に理解を示す声がある。一方で、6月議会で翁長知事が不在となると、任期中に残すのは9月定例会のみとなる。県政与党が期待する再選出馬の表明や1期4年を総括する政策論議など、与野党双方の知事選の日程戦略にも関わってくる。

 6月23日の慰霊の日は県主催による沖縄全戦没者追悼式が催され、例年同様に安倍晋三首相の出席が見込まれる。

 米軍普天間飛行場の辺野古移設で政府は7月にも海域に土砂を投入する考えで、任期中の埋め立て承認の撤回を公言する翁長県政との対立は先鋭化している。慰霊の日の追悼式で両者が顔を合わすかは、例年以上に政治的な意味合いが色濃くなりそうだ。

 8月末には内閣府が2019年度沖縄関係予算の概算要求をまとめる。例年、概算要求に先立って知事が上京して政府与党へ国庫要請活動を展開している。