プロバスケットボールBリーグの年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)準決勝が19、20日に行われる。琉球ゴールデンキングスは両日、千葉県の船橋市総合体育館(船橋アリーナ)で、千葉ジェッツと対戦する。今季は1勝3敗と負け越している相手だが、佐々宜央HCは「準決勝に来るのは簡単ではない。このチャンスを無駄にせず、週末のゲームを勝ちにいく。全力でいくしかない」と、熱く語った。
キングスは16日、準決勝に向けた練習を報道陣に公開した。ストレッチなどでウオーミングアップした後、守備から攻撃への切り替えや連係を入念に確認した。トーナメント形式のCSでは負けたら終わり。準々決勝の名古屋Dの初戦で惜敗し、一度、崖っぷちを味わった選手らは緊張感を持って練習に取り組んだ。
ムードメーカーの1人で、名古屋D戦で勝利の立役者となった古川孝敏は「みんな気持ちも入っていて、いい雰囲気で準備ができている」と、自信をみなぎらせた。コート上と変わらず、常に前向きな態度で「前回の試合の修正点を見つめ、そこに千葉がどう対応してくるか想定してやれている」と、語った。準々決勝では波に乗れずベンチに下がる時間が長かった田代直希は「すごい楽しみ」とうまく気持ちを切り替えた様子。「CSでうまくいかなかった経験は、CSの舞台で晴らすしかない」と強気だ。千葉県出身の田代にとって、会場のある船橋は地元だ。家族や友人が応援に来る大舞台で「地元のプロチームからたくさん点を取り、相手エースを抑え、成長した姿を見せたい」と、意気込んだ。
チームをまとめる主将の岸本隆一は「千葉は(波に)乗ったら手がつけられない。シーズンを通して培った守備から激しくいきたい」と意気込む。名古屋D戦ではPGとしての状況判断に課題を残しただけに「中へ攻めてチームの強みの3点弾を生かすため、自分のドライブやペネトレイトからいい展開に持っていきたい」と語った。
新生キングスをリーグ最少失点数の堅守チームに鍛え上げた佐々宜央HCは、頂点へつながる準決勝を前に「沖縄県全体で勝ちをもぎ取る。テレビの前からでも応援のエネルギーは伝わり、たまってくると信じている。選手にもそう伝え、パフォーマンスを発揮するよう伝えた」と、県民へ熱い応援をお願いした。
千葉にはリーグ最終盤で2連敗したが「競ったゲームになれば戦える」感触もつかんだ。「千葉に走られる展開を作らせないよう、攻撃の終わり方が大事になる」と、課題の修正に取り組んでいるという。
負ければ現チームとして今季が終幕する。常に「今日で最後かもしれない」という緊張感を選手と共有しており、「ホームの千葉を追い込むためにも、19日の第1戦は何としてでも勝つ」と、力を込めた。